大学を卒業後、
僕は専業の道をあきらめ
無事社会人1年生になりました。
今までバイトすらしたことがなかった僕は
社会で働くことに不安を感じていました。
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期待と不安が入り混じる中、
僕は会社の中一番大きなお店に
配属されることが決まりました。
残念ながら友人とは別の店でしたが、
その代わり1人だけ同期の仲間も一緒です。
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そう心に誓って僕は初めての職場へと
移動していくのでした。
Contents
僕は甘ったれ?社会人としての現実に絶句
配属されたお店に到着すると
そこで働いている先輩たちに
ジロジロと見られまくりました。
向こうもどんな人間が店に来るのか、
気になっているようです。
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そう思いながら店長について行くと
小さな部屋に案内されました。
そして突然従業員が集められ、
その場で自己紹介を大きな声でしろと。
そうした打ち合わせもなかったので
何も考えていなかった僕は
頭が真っ白になりながら
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と一言。
先輩から拍手をもらって解散となりましたが、
その手には汗がみなぎっていました。
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明日からお店に出てもらうからね。
そう店長に言われ
僕は店の二階にある寮部屋へと
戻っていきました。
これから始まる地獄のような日々を
知る由もなく・・・。
ブラック企業?無知ゆえにそれすら分からない
![仕事辞めてパチンコしたい](https://sanpapachi.com/wp-content/uploads/2017/08/QVENbXc71SFFQaw1503527099_1503527277.jpg)
入社1週間後、僕はいつ仕事をやめようか、
そればかりを考えて働いていました。
毎日誰にも何も言われない
すべてが自由な時間から一転、
毎日決まったに起きて、
勤務表に人生を決められて、
朝から晩まで時間拘束され続け、
ついこの前まで顔も名前も存在すら
知らなかった人から叱責される日々。
有給を取りたいと申し出れば、
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と真顔で言われました。
アルバイトの人は仕事が終わると
そのまますぐに帰宅できるのですが、
正社員となるとそうはいきません。
暗黙の了解で1~2時間程度、
雑務をこなしてから
帰らなければならないのです。
(もちろん自主的に残っている、
という建前なので残業代は出ません)
予定があるので早く帰ろうとすると
先輩のリーダー社員から
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俺が新人の頃は先輩より早く帰るとかありえなかったけどなぁ~
みたいな嫌味を言われたこともありました。
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・なんで毎日怒られなきゃならないの?
・この生活をあと何十年続ければいいの?
・有給が取れないのって当たり前なの?
・残業代付かないのに帰っちゃいけないの?
日々、自分の体内に蓄積される
疑問とストレスを感じつつも、
バイト経験すらなかった僕は
社会で働くことの意味がよく分からず、
これは社会人として当たり前のものだと
自分に言い聞かせるように働き続けました。
理想と現実のギャップに苦しむ中で起きた友人の夜逃げ
![](https://sanpapachi.com/wp-content/uploads/2017/08/SIBERUj8nox_Bz21533690273_1533690290.jpg)
毎週、店長が決めたシフト表に従って
従業員の勤務が決まるのですが、
週に1度は遅番から早番への
交代勤務があります。
遅番だと正社員が帰れるのは夜中の1時過ぎ、
翌日が早番の時は8時前に出社するので、
3時間しか睡眠が取れない日もありました。
そんな日は決まって朝起きると胃液が
逆流するような気持ち悪さに襲われました。
同時に日々蓄積される疲労と勤務体系に
ある疑念が強く溜まっていきました。
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・この人たちはこの仕事を定年まで続けて何を得るんだろう?
・どうして毎日、こんな檻みたいな小さい店の中に拘束されなければならないのだろうか。
・睡眠不足で胃液が逆流しそうになるくらい気持ち悪いのに、どうしてこの人たち(先輩社員)は文句ひとつ言わずに仕事ができるのだろうか。
・これだけ自分の時間を犠牲にして働き続けた結果、急に病気になって働けなくなったらどうするんだろう
僕は就職して仕事をすることで
幸せになれると思っていました。
仕事をしてお金をもらって、
家に帰ったら奥さんと子供がいて、
休みの日は家族全員で公園に出かけて
奥さんと笑いながらのんびり過ごす。
長期休暇になれば旅行に出かけ、
正月は実家に帰省して
おじいちゃんおばあちゃんから
お年玉をもらって買い物に行って、
自分はやってもらえなかったけど
たこあげや羽根突きを教えてあげたり、
親族みんなで初詣に行って
その帰りに食事をして、
今年も1年健康でいい年になりますように、
とみんなの顔を見るんだろうな、
そんな当たり前の生活を送ることを
漠然と考えていました。
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でも今の仕事を続けている限りそれは一生、
手に入らないことが明白でした。
なぜなら僕がいずれなるであろう
お店の店長は僕らよりもさらに長時間、
会社で仕事をこなしていたからです。
夢や希望を失い毎日疲れた、だるい、
面倒くさい、仕事やめたい・・・と
ネガティブな発言をする社員もいました。
上司からいつも怒られている先輩社員が
後輩いじめとして僕らに八つ当たりのような
意味不明のしかり方をしてきたこともありました。
僕はこれから先、この人たちやこの会社と
何十年も生きていくことは無理だと思いました。
それは“ただ社会人が嫌だ”という
新卒が持つだけの浅はかな理由ではなく、
未来を見据えた真剣な悩みからでした。
自分のやりたいことをすべて我慢して
仕事を中心に歳を取っていくだけの
人生を想像すればするほど、なんとも
言えない気持ちでいっぱいになりました。
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と言えばそれまでですが、
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と余裕をぶっこいていた僕は
あまりの理想と現実のギャップにメンタルが
すっかりやられてしまったのです。
そんなとき、ある大事件が起きます。
僕をこの会社に誘った友人が夜逃げしたと
いうのです・・・。
夜逃げした友人を連れ戻しに行った結果・・・
![パチンコ依存症その後](https://sanpapachi.com/wp-content/uploads/2017/08/QtOZNDUMj61I57h1503527603_1503527630.jpg)
ある日、仕事をしていると突然、
先輩に呼ばれました。
先輩に呼ばれる=怒られるといった
ダークなイメージがあったので、
僕の気分は大きく落ち込んでいました。
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目にえた失態を犯した記憶はないのですが、
呼ばれた以上は何かあるんだろうと思い、
緊張しながら事務所のドアを開けました。
するとそこには神妙な顔をした役職の先輩や
店長、さらに僕を面接した部長までもが
腕を組んで立っていたんです。
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ちょっと聞きたいんだけど、お前の同期に〇〇って奴いただろ。
あいつが今日、会社に来てないんだって。
連絡しても電話に出ないみたいで、お店の人があいつの寮に行ったら荷物が全部片づけられたんだってよ。
お前、あいつの知り合いだろ?
何か知ってるか?
突然、身に覚えのないことをたくさん言われ
少し混乱していた部分もあったのですが、
実はこの出来事の数日前に僕は彼から
“仕事を辞めたいんだよねぇ”といった
相談を受けていました。
僕も似たような状況だったので
彼の言ってることは十分理解でき、
結構な時間二人で話したのですが、
最終的には
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と約束して別れました。
しかし、どうやら彼が配属されたお店は
僕が思っている以上に劣悪な環境で、
とにかく人が足らず連日フル稼働で
仕事をさせられていたようです。
先輩はかなりイライラしている様子で
強い口調で僕に質問をしてきましたが、
答えに困っている僕を見て部長が
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といったことを言ってきました。
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彼の家も知っていたので
彼に会うことは可能だと思い
そうやって部長に告げると
しばらく間をおいてから
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そういったことをお願いされました。
内心、
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そんなの自分でやればいいのに・・・。
と思ったのですが、
さすがに断れる雰囲気でもなかったので
部長の話を受け入れました。
僕は仕事が終わるとそのまま地元に戻り
彼に会いに行くことにしました。
彼に会うには実家に行くのが一番でしたが
おそらくいつものホールに行けば会えると
分かっていたのでそこに寄ることに。
すると案の定、彼はいつも通り、
南国育ち(スロット)を打っていました。
©オリンピア
僕が軽く頭をコツくと彼は
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と左手を上げて笑っていました。
そして開口一番、
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と僕に話しかけてきました。
彼の気持ちは痛いほどわかるので、
彼に対して何の思いも感じることなく、
いつものように二人で食事に行きました。
そこで事業部長が戻ってきて欲しいという
意図を伝えると、彼は首を横にふりました。
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僕の感情も彼の方に傾いていたので
彼がやめることは仕方がないと思い、
彼が職場に戻る気が無いことを上司に伝え、
彼は入社1ヶ月でそのまま退職しました。
ぷつんとキレた糸。”僕、仕事やめます”
さて、残された僕はどうしたかというと、
相変わらず仕事を辞めたいと毎日、
ずっと思っていました。
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・あいつ(やめた友人)は現役に戻って稼ぎまくってるっていってたなぁ
・自分も地元に戻って専業やりたいなぁ
そんなことを日々考えながらも、
現実は仕事を覚えるにつれ
自分の責任が重くのしかかり、
周りに迷惑をかけられないという理由で
だらだらと仕事を続けていました。
仕事は嫌でしたがシフト性の職場だったため
パチンコ屋にはそれなりに行けました。
遅番の時は開店からパチ屋に行き、
毎月20万円近く勝てていました。
生活費はすべて給料でまかない、
給料は全額そのまま貯金です。
仕事が忙しくお金を使う暇もなかったので
入社してから仕事をやめるまで1度も
会社の給料をおろさなかっただけです。
後々、忘れたころに通帳を見たら
200万円以上溜まっていて驚きましたが
別にうれしさとかはなかったですね。
むしろ
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くらいに思ってました。
仕事が忙しくなればなるほど、
精神的にも肉体的にも追い込まれ、
自分の時間はほとんどなくなりました。
そんな状態で迎えたその年の年末年始。
サービス業はどこもかき入れ時。
僕は12/30日から1月の3日まで、
連日12時間労働していました。
アルバイトの人がほぼ全員休暇を取るため、
そのしわ寄せが正社員に来るのです。
大みそかから元旦にかけては特に悲惨で
12/31日の23時ごろに帰宅しそのまま彼女と初詣。
夜中の2時ごろに帰宅し風呂に入り、
朝の3時に就寝。
6時に起床し7時に自宅を出る。
(この時は寮でなく同棲していました)
そのまま夜の21時までぶっ通しで仕事・・・
さすがに最後の方は吐きそうで、
ほとんど記憶に残っていません。
周りのみんなも死にそうな顔だったし、
正月って感覚も無くなっていました。
だけど僕より上の立場の人は
もっと長時間働いていました。
店長クラスは年末年始は会社に泊まるのが
通例だったようです。
今思えばいわゆるブ〇ック企業
だったのかも知れませんが
当時の僕はそんなことを知るはずもなく、
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と言いながら働いていました。
僕はこの正月を経験したこと、
そして自分の立場が上になればなるほど、
自分の理想の人生とかけ離れていく現実に
将来性を感じられなくなり、
仕事へのモチベーションが
急激に下がっていきました。
そして周りの社員のためと気を張っていた
僕の心の糸がプツンと切れました。
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実家に帰省することもできなければ友人と集まって話すこともできない、
もう、仕事をやめよう
年末を乗り切り
2日間の休みをもらった直後、
僕は会社に退職届を提出しました。
続く・・・