腹をくくってスロットの勉強をした僕は
圧倒的な速さで勝ち組へと駆け上り、
気が付けばたった半年で車を購入し
あちこちを駆け回りながら
自由奔放な暮らしをしていました。
大学には勉強しに行っているというよりも
世間体を保つために通っている感じで、
朝、スロットに行って打つ台がなければ
暇つぶしに学校に行っていました。
数時間学校に滞在した後は再びお店に戻り、
育った狙い台を物色しながらハイエナ活動、
毎日朝と夕方に稼働しながら
月30万~50万くらいを稼ぐ暮らしが
およそ3年半にわたって続いていました。
Contents
迫りくる不安・・・。再び狂い始めた歯車
大学4年生を迎えた頃、
僕はある不安を持っていました。
それは大学を卒業するということです。
卒業するということは就職を意味し、
就職ということは自由を失う、
ということを意味していました。
自由を失えば当然稼働できなくなり、
パチンコやスロットで稼ぐことも不可能です。
そしてどれだけパチ&スロでお金を稼いでも、
大学を卒業してしまえばニートです。
当時の僕は
という考え方をしていたのですが、
大学の学費は親に払ってもらっていたし、
世間的にもまずかろうと思ってました。
最悪、学費は自分で支払うことができたので
金銭的な不安はなかったのですが、
親族は僕が4年生大学に入ったこともあり
と聞かれることが
たびたび増えてきました。
有名大学ではないですが一応、
4年生大学を卒業していたので、
就職先はいくつか候補がありました。
ゼミの友人も毎日のように就職相談センター
(学校の敷地内にある)へと足を運び、
進路相談の先生と一緒になって就職先を絞り
せわしなく就職活動をしています。
そんな会話が友人の会話としてあがる中、
肝心の僕はというと・・・。
大学4年の夏休みを目前に控えても
就活すらせずスロットを打っていました。
構内にある就職相談センターには
1度も顔を出したことがありません。
周りから何を言われても聞く耳持たず。
ひたすら現実から目を背けていました。
そんなある日。
いつものように稼働を終えた僕が
帰宅しようとすると
一緒に稼働していた友人が
と誘ってきたのです。
最初、彼が何を言っているのか
さっぱり意味が分かりませんでした。
そこに登録すると就活できるんだって。
満喫でもできるんだ?
ってな感じで僕は彼と一緒に
漫画喫茶に行くことになったのです。
この誘いがその後の僕の人生を
想像もしない方向へと導くことも
知らずに・・・。
1人で行くの嫌だから一緒に行ってくんない?
漫画喫茶に着いた僕は早速
リクライニング席に座って
お目当てのカイジを読み始めました。
まだちゃんと読んだことがなかったので
1巻のエスポワールからニコニコしながら
ドリンクバーの飲み物を目の前において
くつろぎタイム。
も・・・
稼働の疲れからかすぐに爆睡(笑)
結局、カイジをほとんど読むことなく
眠りについてしまったのですが、
しばらくするとからだをゆすぶられ
僕を起こすではありませんか。
そう、僕を満喫に誘った友人です。
並びに行くか?
この頃の僕らの生活は起きたら
ホールに屋に行って稼働して、
ツモれなければ一旦帰宅するか
学校に行って時間を潰す。
↓
学校帰りや閉店近くに再度、
ホールに集合して翌日の狙い台を
チェックをした後に会合(ファミレス)
↓
1時過ぎに帰宅して就寝
というのがお決まりのパターンだったので
“朝起きる=並ぶ”ということが本能として
体内にインプットされていたのです(笑)
めんどくさいからやだよ。
お前も興味ある業界だぜ?
あー、うん。じゃあいいよ。のり就活するよ(笑)どうやって登録すんの?
という感じで半分寝ぼけながら
彼に言われるがまま僕はリクナビに登録し、
会社名すらまともに知らない
会社の説明会へと行くのでした。
実は内定をもらっていたさんパパ
会社説明会当日。
実は僕、ちょっと前に学校で開かれた
就職説明会で別の企業から内定をもらってました。
あまりに就活をしない僕を見かねた
ゼミの友人(満喫の友人とは別人)が
とごり押ししてきたので、
母親と一緒にイオンのテナントで買った
ほぼ新品同様のリクルートスーツを来て、
話のネタに顔を出してみたんです。
終わるの何時だっけ?
片道1時間半は長いよなぁ。
○時ごろにはホールに戻れるかなー
みたいに思いながら。
就活って本当に就職したい
会社がある人にとっては
人生をかけて行う一大イベント!
って感じだと思うんですけど、
社会のレールから外れた僕には
ただの社交辞令みたいなものでした。
どこかに決まればそれでいいや
みたいな。
本音は
みたいに思っていたんでしょうね。
そんな中途半端な気持ちで就活会場に
到着した僕は5分も立たないうちに
あまりの熱気に嫌気がさし、
と外に出てしまったんです。
そして近くにあるパチ屋に行こうと
会場周辺を歩いたのですが、
残念ながら近くにホールはなく
しぶしぶ会場に戻リました。
と思っていろんなブースを
見て歩いていたのですが、
就職先に一切のあてがなかったので
どこで話を聞いたらいいのかも分からず
ただただ、ひたすら歩くだけでした。
各ブースにいる就活生は
ノートとペンをもって必死に話を聞いて
メモを取り、笑顔でうなずきながら
担当者の人と談笑しています。
僕もその場に加われればよかったのですが、
既にスタートの段階から出遅れた僕は
話をまともに聞くことすらできず
会場入りして1時間以上何もせず、
ただ時間だけが流れていきました。
ブースの女性に惹かれ就職先が決まる(笑)
そう自分に言い聞かせ、
何も話を聞かずに帰ろうとした時、
あるブースの担当者が
僕に声をかけてきました。
パッとる振り向くと綺麗な女性の方が
僕の方を見ていたんです。
※写真はイメージです(笑)
どこかのブースのぞいてみましたか?
いや、まだ来たばかりで。
いきなり話しかけられビビる&
普通にきれいな人だったので
めっちゃ焦るさんパパ(笑)
もしよかったらうちのブースも見ていってください!
まるでどこかのセールスに
引っかかるような速さでブース入ると
椅子に座って会社の説明を受けました。
当然、帰ろうと思っていたところで
いきなり声をかけられたので、
この会社が何の会社なのかさえ
僕には分かりません。
人生初の会社説明会に少し緊張しつつも
時折スーッと流れる風と一緒に漂う
大人の女性の香水の匂いに癒され、
就活しているネタができたと思いながら、
どんな会社なんだろうと話を聞いていました。
そして気が付けば
1時間近くその女性と会話をし、
一度うちの会社に来てみませんか?
といった話に発展し、
そのままトントン拍子で
内定が決まってしまったのです。
今だからぶっちゃけてしまうと
興味があったのは会社よりも
この女性の方だったんですけどね(笑)
そんな経緯があり、
僕はすでに内定をもらっている会社に
お世話になることを決めていたので、
友人と一緒に説明会に参加するだけして
次の面接にはいかないつもりでした。
友人も
ということだったので、
旅行気分でパチやスロの話しをしながら
電車に揺られて面接会場に行きました。
マジではめられた?会場貸切に苦笑い・・・
電車に約2時間揺られ着いたのは
場違い間丸出しの高級ホテルのような場所。
駅近くの高層ビルの一室で
というくらい高級感があふれていて、
僕ら一般庶民はとてもじゃないけれど
縁のなさそうな空間。
何か、すごい場所じゃないか?
二人でホテルの名前と説明会場を確認し、
少し早いのでホテルとは反対側にある
パチ屋で時間つぶし(笑)
今考えればもし、
パチ屋にいるところを見られたら
それだけで一発アウトのような気がするし
たばこのにおいもついたと思うのですが、
当時はそんなことにすら気を使えない
ポンコツな僕らでした。
そしていよいよ会社説明会の時間になり
友人と会場に向かったのですが、
1つだけ気になることがありました。
そう、
僕ら以外に人のいる気配がない
のです。
普通、会社説明会の場所であれば
もっと人気があるはずなのですが、
本当にだーれもいない。
とりあえず行くしかないべ。
そう二人で話しながらエレベーター乗り込み
案内に書かれたフロアに辿り着くと・・・
そこにはたしかに〇〇会社
会社説明会場という案内がありました。
エレベーターを降り少し歩くと
僕らと同い年くらいの女性の方が
と声をかけてきました。
お待ちしていました、そちらの席にどうぞ^^
(あれ、この人なんで俺らの名前分かるんだ?たくさん人がいるはずなのに・・・)
受付の女性はまるで僕らを
待っていたかのように部屋へと
案内してくれました。
通された部屋には3人の
若い男性が立っていて、
たくさん並べられた机の上に
2枚だけパンフレットが置かれていました。
・・・
・・・・・
・・・・・・・
完全にフリーズする僕。
隣では友人もフリーズ。
俺を誘わなかったらお前1人だったじゃん)
そう、心の中でつぶやきながら
席に座って説明を受ける僕と友人。
前回の就活会場とは違って
今回は受ける側の人数の方が
圧倒的に少ないのでとにかく
説明だけはしっかり聞かなければと
ノートを取り出してメモを始めたのです。
絶対に断れない次へのステップ
会社説明は少し偉そうな男性が映像を使って
とても分かりやすく説明してくれました。
福利厚生もあって無借金経営で、
潰れる心配もないと言っていました。
さらに先輩からのメッセージや働いた感想、
将来のビジョンもしっかりしていて
と思ったのが素直な印象でした。
でも、僕は心に決めた人が・・・
ではなく、内定が決まっていたのもあり、
次へのステップは断るつもりでいました。
んが!!!
これも彼らの作戦だったのでしょうか?
ざっくばらんにいきましょう!
みたいな感じで急に世間話がはじまり
僕らとの会話が盛り上がったんです。
話しを聞くとその日、会場にいたのは
入社1年目、2年目の先輩でした。
自分たちと年齢が近い方が
就活生にとっても親しみやすい、
という会社の方針だったようです。
彼らは実際に去年就活をした時の事、
会社に入社してよかったこと、
想像と違っていたこと、
社会人になって変わったことなど、
途中、若干の下ネタもはさみながら
たくさん話してくれました。
そして会話はどんどん盛り上がり、
話題は今後のスケジュールについて。
これからの予定になりますが、次回は〇〇会場で筆記試験となっています。
日付は〇月〇日となっていて、こことは違う会場になりますので間違えないように気を付けてくださいね。
断る選択肢ないの???
つーかこの雰囲気で断るとか絶対無理だし
いやーマジで困るんだけど・・・)
そう思いながら隣を見ると
友人もこっちを見て苦笑い。
そう考えた僕はたくさんの案内をもらって
会場を後にするのでした。
そして帰りの電車にて・・・
と、まぁ、こうして僕ら2人だけの
会社説明会は幕を閉じたのでした。
筆記試験に臨んだそれからの展開は?
で、気になるのは
その後の展開ですよね?
何の勉強もせずに筆記試験に向かった僕は
もちろんテストが何もできず・・・
の予定だったのですが、
あまりにも簡単すぎるテストに拍子抜けし
あろうことかすべてに答を書いて合格。
そのまま面接会場に移動させられ
スーツ姿のおじさんと面接。
すごく気さくな人で僕も調子よく話し、
この面接も余裕のパス。
で、いよいよ最終面接。
友人も当然ながら残っていて、
僕らは揃って面接会場に行きました。
先に最終面接を受けたのは友人でしたが
予定していた時刻よりもずいぶん短く、
さっぱりした顔で出てきました。
あぁ、いい出来だったんだなと
彼の顔から推測するのは容易でしたが、
自分としては微妙な感じでした。
なぜなら自分は1つ、
内定をもらった企業があったから。
今更
と言わなければならないことに
悩んでいたのです。
内定を辞退することは就活の中で
普通に起こりうることですが、
そうした経験をしていなかった僕は
最終面接が決まってからずっと
このことに頭を悩ませていました。
だからと言って今更最終面接を辞退する、
なんてことができるはずもありません。
そんな心の葛藤を受けながら
僕は最終面接の扉を開いたのです。
面接の前から合否は決まっていた?
トントントン。
本命企業でないにしても
最終面接はやはり緊張します。
扉を開けるとそこにいたのは
いかにもお金持ちのような重役さんでした。
はい、こんちわ。
どうぞどうそ、座って。
話しは聞いてるよ。うちにピッタリのイメージってね。
うちの会社は・・・
~ここから重役さんの思い出ばなしが
ひたすら語られること15分くらい~
予想していたよりも君はしっかりしているじゃないか。
(え?なにそれ?俺ら合格なのか??)
来週、内定者と去年入社した先輩たちの懇親会があるんだよ。
君たちはまだ内定が出ていないけど、大丈夫だと思うから参加するだろ??
そう一言言われ、
ぼくの最終面接は終了したのでした。
(帰りの電車にて)
内定出てないけど来いってさ。
ってかなにあの面接(笑)
俺、自分のこと何も話さなくてずっと重役さんの話を聞いてただけで”うちに向いてる”って言われて合格になったんだけど。
あーどうしよう。
いいじゃん、断っちまえば。
今更こっちの会社断ったらお前のメンツも潰れるもんなー
こうして僕は内定をもらっていた
最初の会社に断りを入れ、
パチプロの友人と某業界へと
就職する決断をしたのでした。
そして僕の人生の歯車はさらに
予想もしない方向へと加速的に
狂っていくのです・・・。
続く・・・
↓↓↓